クリーンなダイヤモンドを選ぶために知っておきたい「ヴァージン・ダイヤモンド」の知識

ダイヤモンド

婚約指輪(エンゲージリング)で使用されるダイヤモンドは、必ずしもクリーンなダイヤモンドであるとは限りません。
知らないうちに「紛争ダイヤモンド」や「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」が紛れ込んでいるなんてことも…。

本記事では、これから未来に歩んでいく二人が安心してダイヤモンドを購入するために、クリーンなダイヤモンドであるかを見極める3つのポイントについて詳しく解説しています。

\クリーンなダイヤモンドとは?知っておきたい3つのポイント/

  • 「紛争ダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)」ではないこと。
  • 「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」ではないこと。
  • 「ヴァージン・ダイヤモンド」であること。

1.紛争ダイヤモンド(「BLOOD DIAMOND」ブラッド ダイヤモンド)とは

紛争ダイヤモンド

アフリカ地域の内戦地域で産出されるダイヤモンドをはじめとした宝石類で、戦争・紛争の資金源になっていたものを紛争ダイヤモンド(「BLOOD DIAMOND」ブラッド ダイヤモンド)といいます。

地球が育んだ特殊な条件がそろわなければ生み出されない奇跡といえるダイヤモンドは貴重な資源であるがゆえ、アフリカ地域の国々にとっては非常に貴重な資源であると同時に、戦争・紛争時には「ダイヤモンドを売ってそのお金で兵器を購入する」という歴史があります。さらにダイヤモンド鉱山をめぐる争いが起きたり、子供も含めた市民がダイヤモンドを採掘するために強制的に働かされるようになりました。

一生に一度の晴れ舞台であり、一生身に着けるダイヤモンドがこのような戦争・紛争に関わるダイヤモンドであってほしくないですよね。美しく輝くダイヤモンドであっても、紛争ダイヤモンドを扱うことはブライダルジュエリーとして避けなければいけません。

ダイヤモンド業界は国連や各国政府と協力し、不正に取得されたダイヤモンド原石の輸出入を規制することを目的とした国際的な証明制度「キンバリー・プロセス証明制度」を採択して、紛争ダイヤモンドを市場で取り扱わないようにしていきました。

2.キンバリー・プロセス証明制度とは

キンバリー・プロセス証明制度

日本のブランドでダイヤモンドを購入する際に、『「キンバリー・プロセス証明制度」に則って仕入れたダイヤモンドなので、安心してください。』や、『日本は「キンバリー・プロセス証明制度」の加盟国なので、お客様に提供するダイヤモンドは「紛争ダイヤモンド」ではありません。』という話を聞いた人もいるかもしれません。

本当にこのような言葉で安心できるのでしょうか。「キンバリー・プロセス証明制度」とはどのようなものなのかしっかり知ったうえで、ブランドに行って確認することが重要です。

「キンバリー・プロセス証明制度」とはダイヤモンド“原石”を輸出入する際に発行される証明書であって、カット・研磨をした加工済みのダイヤモンドに発行されるものではありません。

経済産業省のページで定義されている「キンバリー・プロセス証明制度」とは

経済産業省のページでは、「キンバリー・プロセス証明制度」について以下のように定義されています。

当該制度においては、ダイヤモンド原石の輸出入に際し、①船積地域に係る国又は地域において発行された当該ダイヤモンド原石が当該制度に基づき取り扱われたものであることを証する書類(以下「キンバリー・プロセス証明書」)が添付されていること、②ダイヤモンド原石の輸出入が密封された容器にて行われること、③非参加国への輸出入を行わないことが義務とされています。
引用:経済産業省

つまり、「キンバリー・プロセス証明書」は原石に付与されるものであって、カット・研磨したダイヤモンドに付与される証明書ではありません。カット・研磨したダイヤモンドが取引所や市場、卸売会社に入った後では、紛争ダイヤモンドであるか確認できなくなります。

「キンバリー・プロセス証明書」についてブランドに確認すること

  • (1)すべてのダイヤモンドは「キンバリー・プロセス証明制度」に基づいて仕入れた原石をカット・研磨していますか?
  • (2)ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社に入る前にカット・研磨されたダイヤモンドを仕入れていますか?
  • (3)ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社を通りカット・研磨したダイヤモンドの場合は、ダイヤモンドの原石をどこの会社でカット・研磨しているのか把握していますか?

3.リユースダイヤモンド・リサイクルダイヤモンドとは

昨今、離婚率が高くなり購入した婚約指輪を買い取り業者に販売する人が増えています。買い取り業者が仕入れたダイヤモンドはそのまま再販売されたり、再加工されて販売されているのをご存じでしょうか。つまり、誰かが身に着けて何か理由があって手放したダイヤモンドを知らないうちに身に着けてしまう可能性があります。

ダイヤモンドの世界三大市場と言われるインドのムンバイ、ベルギーのアントワープ、イスラエルのテルアビブでは、カット・研磨済みのダイヤモンドの取引が盛んな地域となっています。その中でも、インドはリカットと言われるダイヤモンドを再加工して販売する「リユースダイヤモンド」の取引が盛んなエリアです。
※インドからのダイヤモンドがすべてリユースダイヤモンドであるわけではありません。

ダイヤモンドの世界三大市場(ベルギー・インド・イスラエル)にブランドが現地法人を構え、ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社に入る前にダイヤモンド原石の研磨業者がカット・研磨したダイヤモンドを仕入れていることによって、「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」ではない可能性が高くなると同時に、「紛争ダイヤモンド(「BLOOD DIAMOND」ブラッドダイヤモンド)」ではないことが証明できます。

エクセルコのようにすべてのダイヤモンドを原石から仕入れ、カット・研磨、販売しているブランドであれば、「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」「紛争ダイヤモンド」ではないと安心していただけるでしょう。

安くてもいいからというお客様もいらっしゃいますが、安すぎるダイヤモンドにはこういった背景がある可能性があるので、誰の手にも渡ったことがないピュアな「ヴァージン・ダイヤモンド」であるか、ブランドにしっかり確認していただくことをオススメします。

4.ヴァージン・ダイヤモンドとは

ヴァージン・ダイヤモンド

鉱山から採掘されたダイヤモンドをサプライヤーがダイヤモンドのカット・研磨業者に販売し、カット・研磨したダイヤモンドを二次流用せずに誰の手にも渡ることがなく、お客様のもとに行くダイヤモンドのことを「ヴァージン・ダイヤモンド」といいます。

ジュエリーショップで販売している新品の指輪やアクセサリーでも、ダイヤモンドが新品とは限りません。「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」の可能性もあります。昨今は、「一生身に着けるものだからこそ自分のためのダイヤモンドを選びたい」や、プロポーズする方は「誰の手にも渡っていない、純粋にお相手だけのために作られたダイヤモンドを選びたい」という人が増えています。

では、「ヴァージン・ダイヤモンド」であることを確認するためにはどうしたらいいのでしょうか。

5.ヴァージン・ダイヤモンドを選ぶためには

ヴァージン・ダイヤモンド

「ヴァージン・ダイヤモンド」を選ぶためには、どのようにブランドを選ぶのが良いのでしょうか。以下のいずれかを実施していると、「ヴァージン・ダイヤモンド」を取り扱っているブランドといえます。

  • A.「キンバリー・プロセス証明制度」に則って仕入れたダイヤモンド原石をカット・研磨しているブランドである。
  • B.世界三大市場(ベルギー・インド・イスラエル)にブランドが現地法人をもって、ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社に入る前に「キンバリー・プロセス証明制度」に則って原石を仕入れている企業からカット・研磨済みのダイヤモンドを仕入れているブランドである。
  • C.ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社などを通って仕入れているが、「キンバリー・プロセス証明制度」に則って仕入れたダイヤモンド原石を研磨企業がカット・研磨していて、その研磨企業を証明をしているブランドである。※ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社に入った後ではどういった流通で入手されたダイヤモンドかわからなくなるからです。
  • D.ダイヤモンドを原石からカット・研磨した証である「ダイヤモンドジャーニー」プログラムがサービスで付帯するダイヤモンドを所有しているブランドである。
  • E.原産地証明のサービスを付帯するダイヤモンドを所有しているブランドである。
  • F.「ヴァージン・ダイヤモンド証明書」を発行しているブランドである。

上記「D」か「E」を実施しているブランドについて気を付けないといけないのは、少数のダイヤモンドしか実施していない場合、もしかすると「ダイヤモンドジャーニー」プログラムがサービスで付帯するダイヤモンドや原産地証明のサービスが付帯するダイヤモンドをリサイクルで買い付けている場合があります。すべてではなくても、多くのダイヤモンドで「D」や「E」のようなサービスが付帯しているブランドを選択するといいでしょう。

「ダイヤモンドジャーニー」のことを詳しく知る

6.ロシア産ダイヤモンドの今

ロシア産ダイヤモンド

ロシアは世界の約3分の1のダイヤモンド産出国で、90%以上はアルロサ社によって供給されており、その3分の2はロシアの政府機関が所有していると言われています。アルロサ社の収益が、配当や税金を通じてロシア政府へ実質的に資金として流れているようです。

ウクライナ戦争が始まったことで各国や各ブランドが人道的な見地からロシア産のダイヤモンドを仕入れないという宣言を出すに至っています。主要7カ国(G7)は2023年12月16日に「違法な戦争に資金を提供するロシアの能力を制限する」ことを目的とした最新の制裁を発表しました。しかし、すべてのロシア産のダイヤモンドが対象になったわけではなく、段階的に進めることになっているようです。

また、日本国内でも「ブランド名 ロシア産」で検索するとロシア産を仕入れていた記事などが出てくるブランドがあるように、すでに仕入れてしまっているダイヤモンドもあります。すでに仕入れてしまったダイヤモンドをブランドとして破棄することは難しいと考えられます。

7.エクセルコのダイヤモンドは?

エクセルコのダイヤモンド

ここまでダイヤモンドについて語ってきましたが、「エクセルコ ダイヤモンド」のセンターダイヤモンドは、本当に安全でクリーンなダイヤモンドなのでしょうか?エクセルコ ダイヤモンドでは、以下のことからお客様が安心してダイヤモンドをお選びいただけます。

  • ●原石から買い付けているため「ヴァージン・ダイヤモンド」である。
  • ●「キンバリー・プロセス証明制度」に基づいて仕入れた原石をカット・研磨しているから「紛争ダイヤモンド(「BLOOD DIAMOND」ブラッドダイヤモンド)」ではない。
  • ●原石から仕入れてカット・研磨しているため「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」ではない。
  • ●アルロサ社から仕入れていないため「ロシア産ダイヤモンド」ではない。
  • ●ダイヤモンドの原石から道のりを追う「ダイヤモンドジャーニー」プログラムをサービスで付帯している。※1
  • ●「ヴァージン・ダイヤモンド証明書」を発行している。※2

ダイヤモンドのカッターズブランドとして、お客様に安心・安全なダイヤモンドを提供できるように、トレーサビリティを重視してすべての原石を仕入からカット・研磨をして販売まで自社一貫体制で行っているからこそ「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」ではなく、原石の出どころを把握することで「紛争ダイヤモンド」「(ダイヤモンド1石1石に対して産地の提示はしていませんが)ロシア産ダイヤモンド」ではない、ダイヤモンドを扱っています。

また、様々な世界情勢により、ヴァージン・ダイヤモンドが当たり前ではない現在ですが、エクセルコ ダイヤモンドが扱うダイヤモンドはすべて正真正銘のヴァージン・ダイヤモンドであることの証明として、ヴァージン・ダイヤモンド証明書を発行しお渡ししております。

※1:一定の基準を満たしたダイヤモンドに付与しています。
※2:センターダイヤモンドに発行しています。
※センターダイヤモンドに関しての内容となっています。

8.クリーンなダイヤモンドを選ぶために知っておきたい知識のまとめ

ダイヤモンド原石

日本国内のブランドで販売しているダイヤモンドは、「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」だとしても、それを銘打って販売しているブランドはほとんどありません。販売スタッフに確認しても知らない販売スタッフも多いかもしれません。

そのような中で、お客様がどのように「紛争ダイヤモンド」「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」ではない、真の「ヴァージン・ダイヤモンド」を手に入れるかの知識が必要になります。

クリーンなダイヤモンドを選ぶためには、以下のいずれかに該当するブランドを選びましょう。

  • ●全てのダイヤモンドを「キンバリー・プロセス証明制度」に則ってダイヤモンド原石を仕入れ、自社でカット・研磨、販売までをしているブランドである。
  • ●世界三大市場(ベルギー・インド・イスラエル)に現地法人をもって、ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社に入る前に「キンバリー・プロセス証明制度」に則って原石を仕入れている企業からカット・研磨済みのダイヤモンドを仕入れているブランドである。
  • ●ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社などを通って仕入れているが、「キンバリー・プロセス証明制度」に則って仕入れたダイヤモンド原石をカット・研磨している研磨企業を証明をしているブランドである。

そうでなかった場合は、完璧とは言い切れませんが、ダイヤモンドの原石からカット・研磨した証である「ダイヤモンドジャーニー」プログラムがサービスで付帯するダイヤモンドなのか、もしくは原産地証明のサービスを付帯するダイヤモンドなのかをしっかり確認しましょう。

知らないうちに「紛争ダイヤモンド」「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」を選んでしまわない為に、お客様からブランドに質問をして確認することが重要です。

9.クリーンなダイヤモンドであるかを見極めるためにブランドに確認すること

エクセルコ ダイヤモンド東京本店

では、クリーンなダイヤモンドであるかを見極めるためにブランドにどんな聞き方をすればいいでしょうか。以下の3点の聞き方をして、いずれか1つでも当てはまるブランドであれば安心できるでしょう。

  • 1.「すべてのダイヤモンドを「キンバリー・プロセス証明制度」に則って、ブランドが原石を仕入れてカット・研磨、販売しているブランドですか?」
  • 2.「ダイヤモンドの世界三大市場に現地法人をもっているブランドで、すべてのダイヤモンドをダイヤモンド取引所や市場、卸売会社に入る前に「キンバリー・プロセス証明制度」に則って原石を仕入れている企業からカット・研磨済みのダイヤモンドを仕入れているブランドですか?」
  • 3.ダイヤモンド取引所や市場、卸売会社を通して仕入れているブランドの場合、「すべてのダイヤモンドを「キンバリー・プロセス証明制度」に則って原石を仕入れている企業からカット・研磨済みのダイヤモンドを仕入れているブランドで、ダイヤモンド研磨企業の保証や証明があるダイヤモンドですか?」

しかし、全てのブランドが上記を実施できるわけではないので、もしも上記に当てはまらない場合は、『「ダイヤモンドジャーニー」プログラムがサービスで付帯するダイヤモンド』もしくは『原産地証明のサービスを付帯するダイヤモンド』はありますか?と質問し、対応しているダイヤモンドであればクリーンなダイヤモンドと言えるでしょう。

10.日本語の曖昧さの弱点を突いた表現で気を付けること

エクセルコ ダイヤモンドHP

上述「9.クリーンなダイヤモンドであるかを見極めるためにブランドに確認すること」の「1」「2」「3」はブランドのホームページなどでしっかり記載されていることが多く、安心材料になります。しかし、気を付けないといけないことがあります。それは日本語の曖昧な表現です。

例えば、「ダイヤモンドを○○から仕入れています。」という表現は一部のダイヤモンドを○○から仕入れていればできる表現であり、全てのダイヤモンドを○○から仕入れていなくてもできる表現になります。

ホームページで記載されていたり、お店で上記のように言われるとそれを信じてしまい、あたかもすべてのダイヤモンドを○○から仕入れていると思い、安心をしてしまうかもしれません。重要なのはお客様が購入しようとしているダイヤモンドが安心できるクリーンなダイヤモンドなのかということです。「9.クリーンなダイヤモンドであるかを見極めるためにブランドに確認すること」でも記載しているように「すべてのダイヤモンドが」該当するのかを聞くことが重要になります。

「ブランドのホームページで記載している内容で気を付けること」でも詳しく記載しているので、ご確認ください。
ブランドのホームページで記載している内容で気を付けることのページへ

このような点から、ダイヤモンドの原石をどこから仕入れて、カット・研磨され、みなさまがよく目にするダイヤモンドになったのか、ダイヤモンドの流通経路を知ることが重要になります。

  • (1)原石を安心なルートから仕入れているブランドは、「紛争ダイヤモンド」ではありません。
  • (2)カット・研磨したダイヤモンドを仕入れているブランドで、キンバリープロセス証明制度に則ってカット・研磨したダイヤモンドを、ダイヤモンド市場から仕入れているブランド、または、ダイヤモンド市場に入る前に、キンバリープロセス証明制度に則って仕入れた原石をカット・研磨したダイヤモンドを扱っている企業から仕入れているブランドは、「紛争ダイヤモンド」ではありません。

前述の(1)(2)に当てはまらない日本で流通している多くの国内ブランドのダイヤモンドは、海外のダイヤモンド市場→輸出業者→輸入業者→国内卸を通じて仕入れています。クリーンなヴァージン・ダイヤモンドであることを保証するには、流通の川上で「紛争ダイヤモンド」「リユースダイヤモンド」「リサイクルダイヤモンド」ではないことを確認して、ダイヤモンドを仕入れているブランドであることが重要となります。

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